岡城の石垣を包む夕暮れ

TAKETA & OKUBUNGO / A PHOTOGRAPHIC JOURNEY

この町には、
物語があります。

れんたろうが月を愛し、
ただたかは星を辿った。

写真・文:三日月珈琲焙煎所 店主

珈琲を飲んだ、その先に。
少しだけ、この土地の空を見上げてみませんか。

城壁に残る時間。旅人を迎えた座敷。
高原の夜を渡る、星々の光。

店主が出会った景色とともに、
竹田と奥豊後の物語をお届けします。

夕暮れに浮かぶ岡城跡の石垣
岡城跡 / 大分県竹田市写真を大きく見る

THE MOON OVER THE CASTLE

月を愛した、
廉太郎。

城壁の上に、
あの旋律が聞こえてくる。

大分県竹田市は、江戸の風情が色濃く残る城下町。旧岡藩の城である岡城は、竹田で少年期を過ごした瀧廉太郎が「荒城の月」を着想した地として知られています。

この町への旅は、音楽に迎えられることから始まります。豊後竹田駅に列車が着くと、ホームに響くのは「荒城の月」。日本最古の駅メロといわれるその旋律が、訪れる人を迎えてくれます。

車で向かう道のりにも、廉太郎の音楽が。豊後大野から竹田へ入る国道502号では「荒城の月」、熊本・阿蘇方面からの国道57号では「花」。路面に刻まれた溝が、車の走行音を旋律に変える、音楽道路です。

そして、岡城跡へ。今も残る石垣と、その向こうに連なる山々。夕暮れの空の下に立つと、今も竹田の町を音で飾る廉太郎の旋律が、また彼方から聞こえてくるようです。

城の賑わいも、過ぎていった時間も、ふと身近に感じられるひととき。その余韻を胸に、城下の御客屋敷で、自家焙煎の珈琲をお楽しみいただけたらと思います。

「荒城の月カリー」は、満月に見立てた卵と、城壁を表したご飯を添えた一皿です。岡城を歩いた日の思い出とともに、どうぞ。

荒城の月カリーの物語へ 岡城跡について ── 竹田市観光ツーリズム協会 ↗
駅と音楽道路について豊後竹田駅 ── 竹田市観光ツーリズム協会 ↗駅メロの歴史 ── nippon.com ↗音楽が聞こえる道路 ── 九州地方計画協会 ↗
沈堕の滝発電所跡地の石造アーチと天の川。店主撮影
沈堕の滝発電所跡地 / 大分県豊後大野市写真を大きく見る

FOLLOWING THE STARS

まるで天に
導かれるように、
星を辿った忠敬。

精緻な日本地図を作り、現代でも感嘆をもって高く評価されている伊能忠敬公。文化7年末(西暦1811年1月)、九州測量の旅の途中、この「御客屋敷」に宿泊しました。測量の旅立ちから、十年あまり後のことです。

当店で、ソファでくつろいでいただける人気の奥座敷「新月の間」。この部屋で就寝していたと伝えられています。

天体を観測し、大地を測りながら、全国を旅した人。その長い道のりが、この座敷にもつながっています。

大分県竹田市やその周辺の豊後地方では、今でも彼が見たような、手が届くほどの満天の星を観ることができます。晴れれば、織姫と彦星の間を流れる天の川もくっきりです。

ここに添えた一枚は、豊後大野市の沈堕の滝発電所跡地で撮影しました。石造りのアーチの向こうに広がる、星々の光。その風景を見ながら、星を辿った旅人に思いを馳せます。

当店店主は星のソムリエでもありますので、竹田市周辺の星見スポットなど、是非お気軽にお尋ねください。

忠敬の旅と、御客屋敷の歴史へ 御客屋敷と伊能忠敬の滞在について ── 竹田市 ↗
久住高原で車の扉越しに見えた天の川と飛行機の軌跡。店主撮影
久住高原 / 大分県竹田市写真を大きく見る

MY IHATOV

心の、
イーハトーブ。

酷暑もひと段落してきた頃、久住高原にて車中泊キャンプをしていました。

夜半にふと目が覚め、外の空気を吸おうと扉を開いたら、そこにはまるで銀河鉄道のように、天の川に沿って飛ぶ夜間飛行の軌跡が。

敬愛する宮沢賢治がもし竹田を知っていたなら、ここも銀河鉄道の途中駅に加えていたのではないかと、ふとそう思った瞬間でした。

もしも賢治が生きてたならば
恐らくはかやうに云ふだらうと思ふ
ここもいはゆる一つのIhatovなのだ、と。

その夜、店主が思い浮かべた言葉

「Ihatov(イーハトーブ)」

それは彼が故郷岩手の豊かさを表した理想郷の呼び名ですが、現代では、多くの賢治ファンの心に、それぞれのイーハトーブが在ると思います。

大分県竹田市には、高原や炭酸温泉を始めとした豊かな自然資産、また、石造りの遺構や隠れキリシタンの歴史や文化など、自然と共に歩んだ先人たちの痕跡が色濃く残っており、あなたの心のイーハトーブはここにもあるかもしれません。

それらを探しに、一度竹田へ来てみませんか。

香り豊かな珈琲を淹れてお待ちしています。

THE JOURNEY CONTINUES IN YOUR CUP

星空の余韻を、
一杯の珈琲に。

2024年秋の彗星から生まれた、
オリジナルブレンド「星の巡礼」。

星の巡礼の物語へ